9月香川県議会定例会・10月2日一般質問

(平成19年10月2日)
 ・交通関係のインフラ整備
  (高松港の整備について)
  (フリーゲージトレインの導入)
  (高松空港の機能強化)

 ・老朽ため池の整備
 ・梨産地の復興

 

9月香川県議会定例会・10月2日一般質問

今、地方は都会との格差が拡大し、大変厳しい時代を迎えております。
このような時だからこそ、我々のふるさとの強さ、そして良さをもう一度再構築し、今後の少子高齢化社会や地方分権社会の中で、香川県民の皆様方が安心して暮らせ、活力があり自立的で豊かさを享受できる社会にしていくことが重要だと思います。

『温かい家族の絆、地域の絆、人情のかよいあう思いやりと優しさのあふれるふるさとづくり』を原点に、お互いが人の心がかよいあう政治を目指して、これから地方の最前線でがんばってまいりたいと思います。

・交通関係のインフラ整備

①高松港の整備について

高松港は、瀬戸内海に面した海上交通の要衝に位置しており、今後とも、近畿圏・中国圏はもとより国内海上輸送の拠点としての位置づけを確保するとともに、韓国・中国をはじめとする東アジア各国との輸送も更に活発化させる事が、本県の経済活動、県民生活の向上に繋がる重要なものだと思っております。

現在、高松港では、朝日地区において、耐震機能を有し、大型船舶の入港可能な水深マイナス12mの大型岸壁などを整備する多目的国際ターミナル整備事業や、玉藻地区においても、高松駅からの利用者の動線を考慮した浮き桟橋の整備を推進中と伺っておりおります。

しかしながら、多目的国際ターミナル整備事業に関連して、大型岸壁に入出航する船舶の航路整備のため、底引き網漁の格好の漁場である「稲木出し(いなぎだし)」の瀬の一部で国が浚渫(海底・河床などの土砂を、水深を深くするために掘削すること)を計画していることから、漁業者のご理解を得る必要があるとも伺っております。

知事は、先の6月県議会定例会において、我が党の有福議員の当該事業の進捗状況に関する質問に対して、「事業計画について、漁業関係者へ繰り返し説明を行っており、今後とも、国と協力しながら、早期に工事着手できるよう、事業の推進に努める。」とご答弁されておりましたが、その後の進捗状況は如何でしょうか。

この港湾整備は、香川県が瀬戸内海の物流拠点として発展していくためにも、また、海外との窓口として存在意義を発揮していくためにも、予定どおり、整備が進められる事が、極めて重要であると考えております。

また、多目的国際ターミナルの整備は、私が森田先生の秘書を務めさせておりました際、「香川県には耐震機能を持った港が整備できていない」、「大地震がきて陸路が寸断されても、県民の方々に大量の救難物資をスムーズに搬送でき、大地震にも耐えうる港を、是非、作って欲しい。」との県からの強い要請があり、先生のご指示のもと、事業の必要性が理解されるよう、何度となく国土交通省に通った事業であります。

当時は、他県の重要港湾をもった国会議員の先生方より、なぜ高松港整備の予算が付いたのかわからないと言われる程、難関中の難関の予算獲得でありましたので、当該事業に寄せる思いもひとしおで御座います。
そこで、高松港の予定どおりの整備、完成に向けた知事の意気込みをお聞かせください。

知事・高松港国際ターミナルは必要不可欠な社会資本であります。現在、漁業事業実態調査を終えた漁協から順次に協議をしております。今後も国と協力し、早期に工事が着工できるよう事業を推進します。

②フリーゲージトレイン導入について

高速交通ネットワークのうち、高速道路については県内予定区間はすべて供用が開始され、四国の他県においても順次整備が進められています。
一方、鉄道については、どうでしょうか。
鉄道は、一度に大量輸送が可能で、定時制があり、環境に優しいというメリットがあります。
また、本県がこれまで担ってきた四国の中枢拠点や交通結節点としての機能をさらに拡充強化するうえでも、鉄道の果たす役割は大きいと考えます。

このため鉄道の整備、とりわけ鉄道の高速化は、本州四国連絡橋3ルートのうち唯一、道路・鉄道併用橋である瀬戸大橋を有効活用し、本県をはじめとした四国地方が中国地方などと密接に結ばれ、旅客等の交流を活発化するうえで、重要であると考えています。
しかし残念ながら、四国だけは整備新幹線計画に取り上げられておりません。
そのため、その方策として新幹線と在来線を乗り換えなしで相互に乗り入れができるフリーゲージトレインの四国への導入が期待されています。これは、経済活動の活発化や観光交流の促進などの面でも大きく期待されております。

現在、フリーゲージトレインの導入に向けて、国や研究機関で調査研究が行なわれており、本県においても、平成15年5月から6月に、予讃線、坂出・多度津間において、カーブでの走行試験が行われました。
更に、昨年10月には、多度津工場で台車の走行試験が実施、本年3月には、座席を有する新型試験車両が完成し、今後は、乗り心地も含めた走行試験が九州において行われる予定とうかがっております。
確かに、山陽新幹線の運行ダイヤに支障が生じないようにするには、毎時約270kmでの常時走行能力と最高毎時300kmでの走行性能が必要とされますが、これまでの最高速度は直線コースで毎時246km、常時走行能力は毎時約200kmしかないなど、高速域における走行安定性をはじめ、在来線の急曲線や分岐器を円滑に通過するための安定性など、克服すべき課題があることは承知いたしております。
また、宇野線の複線化をはじめとした整備費用の問題もあるとは思います。
しかし、国土交通省の調査結果によりますと、もともと四国は他の候補地域と比べ、旅客の輸送密度が高くなっており、フリーゲージトレインを導入した場合の増加数も多く、社会的便益を享受する人数は、高松、松山路線を中心に、他の候補地域と比べ非常に多くなっています。これは、四国の優位性が示されたものと考えられます。また、岡山駅付近にアプローチ部を設けると、伯備線との共用もできるという大きなメリットがあります。

旅をされる方の中には、乗り継ぎを旅の楽しみにされている方もおられるとは思いますが、時間価値の高まっている現在において、また、高齢化が進行している中で、新幹線と在来線で乗り換えることなく、時間距離の短縮を図ることは、重要であると思います。
島根県や大分県をはじめ各地でも、フリーゲージトレインの導入に向けて積極的な活動が行われているようですが、これに打ち勝つためには、四国4県と経済界による「四国フリーゲージトレイン導入期成会」などを通じて、四国4県で一致協力し、連携した働きかけや運動が必要と思われます。
また、四国への導入を確実にするには、予讃線をはじめとする四国内での実験の実施と、岡山の宇野線での実施が望ましいとも考えます。

③高松空港の就航率向上について

高松空港は、香川県の空の玄関であり、時間価値の高まっている現在において、高松空港の利便性の向上や定時制の確保が、必要不可欠であります。
ところが、高松空港は標高185mの高台に位置するため、降雨や濃霧などの天候変化によって、せっかく空港近くにまで来ている航空機が、他空港に降りることになってしまうことが、しばしば起きており、平成18年度の視界不良を原因とした欠航便数は58便となっています。

これは、様々な自然条件の中で、航空機の安全運航を確保する観点から、やむを得ないことではありますが、高松空港を利用する香川県民にとりまして利便性の面で問題があるとともに、本県での重要会議開催の誘致や観光ツアー誘致の面でもマイナスであり、経済活動においてもマイナスであります。
このため、安全運航に支障のない範囲で、こういった事態をできる限り解消し、就航率の向上を図ることが必要だと考えます。このための技術として、ILS高カテゴリー化、すなわちCATⅢの導入が解決策として考えられます。
ILSとは、地上から電波を発射して航空機に正確な進入着陸コースを知らせ、航空機を誘導して着陸させる計器着陸装置のことであり、このILSは、その能力に応じて、カテゴリー1、略してCATⅠから精度の高いCATⅢまでに分類されています。
パイロットは、滑走路が見えないと着陸をやり直しますが、このやり直す高度が決心高であり、CATⅠでは、決心高60m以上、滑走路上での視界も550m以上必要ですが、CATⅢでは、決心高ゼロで、滑走路が見えなくても自動着陸が可能になり、滑走路上での視界もCATⅢaでさえ200m以上と精度が上がり、悪天候で視界が悪くとも着陸できるようになります。
現在、高松空港に整備されているものはCATⅠですが、我が国のその他の空港の中には、こういったILS高カテゴリー化、すなわちCATⅢの導入が既に行われ、釧路空港や熊本空港のように就航率が向上した空港が存在します。
また今年の3月には、第3種空港で初めて青森空港において供用が開始され、現在、広島空港でも整備が進められております。
このように、地方空港でも整備が進められていることから、私は高松空港にもCATⅢの導入が行われるように措置すべきだと考えています。
香川県からも、以前、私が東京で運輸大臣秘書官を務めさせて頂いていた当時には、重点要望として、国に対し、ILS高カテゴリー化、CATⅢの導入の要望がしばしば出されていましたが、最近はどうしているのでしょうか。
最近は、要望も出していないようですが、なぜ止めてしまったのでしょうか。
直近の要望はいつ行い、その際の国の見解は、どのようなものだったのでしょうか。
国は、CATⅢの導入によって就航率の改善が見込める空港であって、かつ、コストに比べた改善効果の比率の高い空港を対象に、順次、整備してきているようですが、高松空港はどのような位置づけになっているのでしょうか。
また、高松空港へのCATⅢの導入により救済できる便数は、年間、どれくらいあるのでしょうか。
確かに、釧路空港や熊本空港に整備された平成7年度当時と環境が大きく異なり、財政状況が厳しいということもあるでしょう。しかし、必要性を認識したうえで、要望されたのですから、簡単に止めてしまうのはいかがなものかと思っております。
CATⅢの導入により救済される便は、依然としてあるわけですから、要望は続けておくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
これまで、CATⅢの高松空港への導入は、コストに比べた改善効果の比率が低かったために、採用されなかったのであれば、国では、今後の技術革新を見据え、コストダウンできる改造型のCATⅢを検討しているとの情報もあります。
そのあたりを情報収集して、県議会にも報告し、今後は、コストダウンできる改造型のCATⅢの採用に絞って、要望活動を行えば、これを実現でき、高松空港の就航率の大幅な向上につなげられると思います。

・老朽ため池の整備に関して

本県は、全国有数の規模を誇る満濃池をはじめ、1万4千6百箇所余の大小様々なため池が県内各地に点在しており、県土面積に対するため池密度は全国第1位であります。
これらため池はいずれもが水を求めて苦労した先人の努力により築かれ、地域農業の発展を支えてきた歴史の象徴であり、さらには讃岐平野の豊かな田園風景に欠くことのできない、かけがえのない県民の財産であります。

私の地元、観音寺市でも山間部から平野部にかけて、大小おびただしい数のため池があります。これらため池の中には、日本最古の石積式マルチプルアーチダムとして、昨年、国の重要文化財に指定された豊念池など、地域を代表する大きな池がありますが、圧倒的に、中・小のため池が多く、今日もなお、農家のたゆまぬ努力によって農地を潤し、米やレタスの一大産地を形成しております。

今年は、過去に例を見ない早い時期から香川用水の取水制限が開始されるなど、大きな渇水に見舞われたところであります。ため池も平年を大きく下回る貯水率で推移する中、ため池管理者をはじめ農家のきめ細やかな配水管理により、幸にも干ばつによる農業被害を最小限に止めたことは、記憶に新しいところであります。
しかしながら、これらのため池は、その殆どが築造後200~300年を経過していることから、老朽化が著しく進行しており、台風等による災害時の決壊や、特に夏場の未整備のため池のよどんだ水による周辺の悪臭は年々深刻化しています。
ため池の決壊は、貴重な農業用水源を失うばかりでなく、田畑の流失をはじめ、大きな二次災害をもたらすとともに、最悪時には人命にも被害が及ぶことが考えられます。
未整備のため池のよどんだ水の悪臭は、今一番関心度の高い環境問題に直結すると思います。
水環境の保全こそ、農村地域の混住化や都市化の急速な進行の中で、「うるおい・やすらぎ・心の豊かさ」など、人に優しく思いやりのある水辺空間の地域づくりだと思います。
また、農家の減少や高齢化の進行により、維持管理も不十分になりがちな今日、農家やため池管理者は、ため池を守り後世に引き継ぐため懸命の努力をしておりますが、未整備の老朽ため池は、改修ため池に比べ管理に多大な労力を要することは言うまでもありません。
平成16年の災害を振り返って見ますと、県南部の中山間地域を中心に、農業や農業用施設に約114億円もの被害を蒙った訳でありますが、ため池の災害を詳しく見てみますと、被災を受けたため池830箇所余の大半のため池が老朽化した未整備のため池で、堤防改修などの補強対策を実施しているため池の被災は数少ないと聞いております。このことからも、中山間地域などの中・小のため池では、まだまだ未整備のため池が多いことを如実に物語っているものであります。
そこで、災害を未然に防止し県土の保全と県民の安全・安心を確保するためには、より一層、老朽ため池の整備促進を図ることが、重要であると考えております。

・なし産地復興に関して

平成16年の台風による豪雨や高潮は、私の地元である観音寺市大野原でも2名の方、県下全域では19名もの県民の方の尊い命を奪うなど、全県下に甚大な被害をもたらしました。
当時、私は、森田先生の秘書として東京におりましたが、香川県の惨状を聞くにつれ、胸を痛めますとともに、復旧が可能な限り円滑に進むよう、微力ではありますが国土交通省や農水省、財務省などの各省庁との調整に、奔走させていただいたものであります。
ご存知のように、観音寺市南部の豊南とよばれる地域は、香川県の梨の生産量の約7割を占める、県下最大の梨の産地であります。
豊南の梨は、明治42年に、香川県ではじめて、その地に、川上 今太郎氏と川上武平氏の両氏が日本梨を植えたのが始まりであり、再来年の平成21年には栽培100周年を迎えようとしています。

旧観音寺市と旧大野原町との合併以前の旧豊浜町では、「梨の木」が町木に指定されていたほどであり、豊浜町の中でも、とりわけ、和田地区では高尾山山系の裾野一帯で、幸水、豊水を中心に盛んに栽培がなされております。
その高尾山山系の豊南の梨の産地におきましては、まず、台風15号の関連前線による豪雨により、一部の工区で土石流による園地崩壊が発生いたしました。その後も、台風16号や18号に伴う降雨により地盤が緩み、台風21号では、高尾山山系の各沢

また、土石流により7工区ある灌漑施設の内、6工区では、送水管の破損等の被害が発生し、さらに、野々池などのため池に大量の流木や土砂が流入し、地域農業の水源及び送水機能が麻痺してしまいました。
瓦礫に埋め尽くされた当時の惨状は、そこが果樹園であることを忘れさせるほどであり、知事もご視察いただいたと伺っております。
あのすさまじい被害から3年が経ちました。
その間、被害にあわれた生産者の方々は、災害を乗り越えようと必死に頑張っておられます。
また、県においても、国の激甚指定を受け農地農業施設災害復旧事業や県独自の果樹産地復活対策事業により、産地の復興対策を支援されてきたと伺っておりますが、現在の復興状況と今後の産地の復活に向け、県としてどのように取り組むおつもりなのか、知事のご所見をお伺いします。
こうした甚大な被害を受けた豊南の梨でありますが、災害後に植え付けた園の一部では、無事、初めて実を結んだと伺っております。このような中、香川豊南農協では今年から、新たな取り組みがなされております。
それは、果実一つ一つに、JA名や生産農家の識別番号、出荷日などの生産情報を、食用のインクを吹き付けて印字するもので、果実では全国的にも珍しい取り組みとうかがっています。
さらには、消費者の方がホームページ上で番号を入力して、生産者や防除歴を調べられるように準備を進めておられるとも伺っております。
最近、消費者の食に対する信頼を失う事件が発生しておりますが、このような取り組みは、消費者の信頼と安心感を高めるのに有効であり、他産地との差別化につながるものと考えております。
そこで、こうした特色ある梨のブランド化について、県として、どのように取り組んでいくおつもりなのか知事のご所見をお伺いします。

知事・豊南地区のなし園は、復旧の意向のある12,2ヘクタールのうち、本年度末までに9,6ヘクタールが復旧する見込みです。残りも引き続き果樹栽培を支援したり、被災農家の経営改善などについて指導していく。