平成20年6月香川県議会定例会

我々の生活は確かに豊かになりましたが、その反面、人に対する思いやり、いたわりの気持ちが希薄になっていると思います。
世の中、自分の思い通りにいかない、誰も相手にしてくれなくて自分の存在に目を向けてもらうため、関係のない、罪のない、今まで幸福に過ごしていた方々の命・夢を、平気で、ためらいもなく奪う事件、また、それに便乗して、面白半分で殺人の予告等をネット上で流す、卑怯で、卑劣極まりない、本当に悲しい、どんな理由付けをしても、絶対に許されない犯罪が多発しています。
命の尊さ、思いやり、優しさ、自分自身に対する忍耐・辛抱等、このような時代だからこそ、もう一度原点に帰り、温かい家族・地域の絆、人情・心のかよいあう「ふるさと」の良さ・強さを再構築していかなければなりません。
これまで本会議における一般質問において、私は、本県の発展、住民の方々の利便性の向上のためには、交通インフラの整備が重要であると主張してきました。
高松港の整備、フリーゲージトレインの導入、高松空港のILS高カテゴリー化による就航率向上についての質問も、そういう観点から行ってきました。
また、地域の活力を向上させるため、「住んで良く」、「訪れて良い」まちづくりのための基盤整備としての「観光地づくり」を強力に進めるための施策のあり方について、お伺いしてきました。
特に、前回2月議会の一般質問では、本県に観光客を引き入れるのにどうすればよいか、といった観光施策のあり方、香川県の観光地を全国各地や海外に対し、どのようにPRするのかなどについての質問をしました。

まず、観光行政の質問のうち、観光圏への取組みについてであります。

これは、政府が現在進めている観光立国の実現に向け、これまでの各地の観光施策を見てみると、課題として、「観光振興の関係者は多種多様に渡ること」、「単独の観光地での取組みには限界があること」、「滞在の魅力を高めた取組が必要であること」がポイントとしてあげられ、これを解決することが重要だとして制定された法律であります。
具体的には、「観光業と他業種との連携、官民の連携による一体的な取り組みを行うこと」、「地域間の連携を促進し、複数の観光地の連携により観光旅客の来訪や滞在を促進する地域として『観光圏』の形成を目指すこと」、「滞在促進に重点的に取り組む地区としての『滞在促進地区』の整備を含む総合的な取り組みにより、2泊3日以上の滞在型観光を目指すこと」が施策の中心になっています。
市町村又は都道府県は、国土交通大臣が定める基本方針に基づき、地域の創意工夫による観光圏の魅力を高めるために、民間団体、観光事業者等と連携して、観光旅客の来訪及び滞在の促進を総合的かつ一体的に推進するための観光圏整備計画を作成し、この整備計画に即した観光圏整備実施計画が国に認定されれば、宿泊施設が当該観光圏に限って旅行業者代理業を行える特例措置が認められるほか、当該実施計画に基づき実施する事業に対して最大40%の国庫補助が受けられるものであります。
国は、初年度となる今年度は、10数ヵ所の観光圏を支援したいとしており、法律の施行前で、しかも基本方針や政令も未制定の段階であるにもかかわらず、山梨県の富士吉田市など富士北麓地域のように、既に高い関心を示している地域もあるようです。
昨年の本県の県外からの観光客数は、栗林公園や屋島、琴平といった主要観光地の入込客数の増加などにより、平成16年以来、3年ぶりに800万人を上回り、約807万6千人と前年に比して1.1%増えているものの、平均宿泊日数は、1.3日と前年に比して0.2日減少しております。
今回の新しくできたこの制度は、ビジット・ジャパン・キャンペーンのように外国人客のみをターゲットしたものではなく、日本人を含めた内外からの観光旅客の来訪・滞在を促進することによる地域経済の活性化を図ることにポイントが置かれており、観光振興による経済効果を高めるためには、私は、そうした施策にも積極的に取り組むべきものと考えますが、観光圏への取組みについて、知事のご所見をお伺いします。
次に、観光行政の質問のうち、四国観光立県推進協議会の強化についてであります。
先ほどの観光圏は、滞在型観光の施策でございますが、観光客のニーズは、多種多様化しており、高速交通体系の整備に伴い、広域化していることも事実であります。
また、国は、2010年に訪日外国人旅行者数を1,000万人とするとの目標に向け、ビジット・ジャパン・キャンペーンを推進していますが、海外からの観光客の旅行範囲は、広域にわたることも少なくないと思われます。
本県におきましても、これまで、中国や韓国などから旅行会社やメディア等を招聘し、施設ツアーや商談会を行う「四国インバウンドフォーラム」を国や他の四国3県等と連携して開催し、外国人観光客の増加に一定の成果を上げておられます。
しかし、国土交通省の宿泊旅行統計によりますと、昨年、香川県内で宿泊された外国人の延べ宿泊者数は、4万人余りとなっており、残念ながら都道府県別では40位と全国下位の状況になっています。
四国の他の3県も、愛媛県が35位、徳島県が44位、高知県が45位と、本県同様、下位となっております。
こうした状況から、香川のみならず四国の海外での知名度は、まだまだ低い状況にあり、外国人観光客の誘致については、やはり四国4県が一緒になって行わないと、効果は低いのではないかと考えます。
先般5月23日、四国4県の県議会議員によって四国四県観光議員連盟が設立され、各県の県議会議員が一緒になって、韓国をメインターゲットとして四国への観光客誘致を行うことを決めたことは、ご承知のことと思いますが、外国人訪問客を増やすためには、引き続き、さらなる努力が必要ではないかと考えております。
こうした中、5月に開催された四国4県とJR四国で組織する「四国観光立県推進協議会」の総会において、構成団体で民間企業はJR四国しかない現状を見直し、民間の参画を得て、地域を挙げて観光振興に取り組む方針を打ち出されたと伺っており、この方針は、広域連携の強化に資するものとして、私は、大いに賛成するものであります。
九州7県と民間が一体となって組織する九州観光推進機構には、大手旅行代理店や航空会社のほか、酒造メーカーや広告業者も参加されておるようでございます。
さらに、同機構では、各県と経済界が一体となって、予算のみならず、それぞれ人も出して、観光振興の推進のための専門の常設組織として強力な観光誘致活動を行っています。
観光振興については、我が国では、もはや国内における観光地間競争が始まっている状況にあります。
四国としても、四国全体として行政と経済界が一体となった四国の観光振興を行う必要があると思います。
その実現に向けて、知事自らが、経済界への働きかけを行うなど、強力なリーダーシップを強く期待したいと思いますが、四国観光立県推進協議会の強化に向けて、今後どのように取り組むおつもりなのか、知事にお伺いします。

質問の2点目は、「せとうち旬彩館」の運営についてであります。

皆さんご承知のように、「せとうち旬彩館」は、県産品の展示販売や郷土料理の提供、観光情報の発信を通して、県産品の販路拡大と知名度の向上、イメージアップを図ることを目的に、愛媛県と共同して平成15年3月に、東京の新橋に設置したアンテナショップでございます。
その「せとうち旬彩館」の利用者数は、昨年度46万人余りで3年連続の増加、売上高にいたっては、讃岐うどんをテーマにした映画「UDON」のヒットの影響などにより、平成18年度には、平成17年度に比して約15%増の4億5千万円余りと、はじめて4億円を超え、その反動が懸念された昨年度にあっても、平成18年度比5.8%増の4億8千万円余りを売り上げ、5年連続の増加ということでございます。東京には、37道府県がアンテナショップを設置しているわけでございますが、平成16年度のデータによれば、5位と伺っており、そこからの増加でありますことから、非常に健闘されておられると高く評価いたしております。
私自身も、東京に居りました頃は、何度となく、特に2階の「かおりひめ」は、郷土の味が味わえる店ということで、再三、利用させていただきました。当時は、メニューや品揃えに不満をもったこともございますが、現在のメニューや品揃えをみますとかなり改善されていると感じており、定期的な見直しなどによる不断の努力がうかがえ、その努力が5年連続の売上高の増加の一因であろうとも推察いたしております。
現在、東京では、宮崎県知事の影響もあるのでしょう、マスコミ報道などでもアンテナショップに関する特集が組まれ、アンテナショップ巡りがちょっとしたブームのようであります。8月には、松葉がにや二十世紀梨の産地である鳥取県が「せとうち旬彩館」の3軒隣にアンテナショップの出店を計画されているようであります。
昨今のブームから相乗効果が期待されるわけでございますが、一方で、現状に甘んじ、努力を怠れば顧客を失う事態にもなりかねません。
アンテナショップは、香川や県産品、郷土料理をPRし、本県のイメージアップを図る場であるのみならず、地元企業、特に、首都圏の消費者に直接PRする機会やニーズを把握する機会を単独で設けることが困難な中小企業に、その機会を提供する場としても、その存在意義は非常に大きいと思います。
厳しい財政状況の中にあって、費用対効果を踏まえた効率的な運営をお願いするのは当然ではありますが、今後とも、消費者ニーズの把握や県産品の需要拡大を図り、ひいては販路や生産の拡大につなげるような取り組みをお願いしたいと思います。
また、現在のような好立地条件の店舗を維持するための費用の軽減や、両県による相乗効果も期待できますことから愛媛県との共同店舗としていることは理解できますが、そうした中にあっても、やはり本県の独自性を発揮していただきたいと思います。
そこで、オープンから本年3月で5年が経過した「せとうち旬彩館」のこれまでの成果と今後の取組みについて、知事のご所見をお伺いします。

質問の3点目は、地域福祉の推進についてであります。

私は、地域福祉は、ご近所づきあいにはじまると思います。
もちろん、地域福祉を進めるためには、ご近所づきあいだけでは十分とは言えません。
地域福祉を推進するためには、住民による地域福祉活動の推進、在宅福祉サービスの充実、福祉教育による住民参加の促進などを総合的に進めていくことが必要だと思います。
しかし、近年、地域福祉活動の基盤となるご近所づきあいが薄れてきております。これは、転勤などによる住民の入れ替わりや都市化により住民のライフスタイルが多様化したことが考えられます。
また、高齢化が進む中、特に1人暮らしの高齢者の増加が目立っています。
私は、高齢者の1人暮らしの方々、子育て家庭や心身に障害のある方などを含む、すべての人が、住み慣れた地域で、安心・安全に暮らせるように、地域で協働して福祉活動を推進することができる福祉コミュニティの充実が重要であると考えており、そのためには、まず、住民の方の参加が不可欠であると考えております。
私の地元である観音寺市の常盤小学校区では、地域の高齢者の方々が、地域の子ども達を守るため、常盤地区学校等運営協力会を設立し、登下校時の安全確保や校内見回り、樹木の選定などを行っております。これは、すばらしい地域福祉活動であり、ご参加いただいている方に敬意を表するしだいであります。
しかしながら、ご近所づきあいが薄れてきている昨今にあっては、こうした活動が思うように進まない場合もあるやに伺っております。
また、これまでは、高齢者、児童、障害者の対象別に福祉計画が策定されていたと思います。しかし、当事者やその家族は、多面的に問題を抱えておられたり、高齢者虐待や児童虐待など、個々の自助努力のみでは対応できないような事例も近年、増加しております。
地域の福祉ニーズは複雑多様化しており、対象者お一人おひとりのニーズに、対応できる仕組みや体制づくりが必要であり、福祉だけではなく、保健や医療などの各分野が連携して、必要なサービスを総合的に切れ目なく提供する必要があります。
このため、市町が、地域住民の参加を得て、地域福祉を推進するにあたっては、高齢者福祉計画等の各計画を横断的に連携・補完し、市町の社会福祉協議会などの福祉活動団体、NPO法人などの民間団体などと連携・協働することが不可欠であると考えており、県としても、こうした市町における取組みを、専門的な視点や広域的な視点から、総合的に支援することが必要だと思います。
そこで、県として、地域福祉の推進にあたり、どのように市町の取組みを支援していくおつもりなのか知事にお伺いします。

質問の4点目は、地域の中核病院への支援についてであります。

すべての県民が、その生活している地域において、健康で生き生きと暮らしていくためには、誰もが必要なときに適正な保健医療サービスを受けられることが大切であります。
県では、県民の暮らしを支えていくための地域単位として、住民に密着した保健医療サービスを提供していく最も基礎的な、
市町の行政区域を圏域とする一次保健医療圏、一般的な医療需要に対応した入院医療を確保する区域で、包括的な保健医療サービスを提供していく二次保健医療圏、高度で先進的な医療を確保し、県全域での対応が必要な保健医療サービスを提供する県全域を圏域とする三次保健医療圏を設置し、包括的な保健医療サービスを供給するための体制整備を推進されております。
私の地元である観音寺市の二次保健医療圏は、三豊市とともに三豊保健医療圏に設定されており、三豊保健医療圏の第2次救急は、1週間のうち1日を永康病院が、残りの6日を三豊総合病院が担っております。
また、三豊総合病院は、臨床研修病院、災害拠点病院、へき地医療拠点病院などの指定を受けております。中でも、がん診療において、県内で初めて「地域がん診療連携拠点病院」に指定され、県内で唯一、緩和ケア病棟を有しております。
さらに、三豊地域は3次救急である県立中央病院や香川大学附属病院から最も距離が離れていることなどから、指定こそ受けていないものの、3次救急に匹敵する役割を担っており、まさに、三豊総合病院は、三豊保健医療圏の中核病院であり、三豊地域の住民の方々の期待も大きく、地域医療の最後の砦といった感もございます。
こうしたニーズに応えるべく、三豊総合病院では、今後も、地域医療支援病院などの指定を目指すとともに、今秋からは、地域の医療需要に対応し、医療機能の充実強化を図るため、改築に着手すると伺っております。
もちろん、地域の医療需要にどのように応えるかは、一義的には、設置者が、三豊総合病院の場合であれば観音寺市と三豊市が組織する三豊総合病院組合になりますが、将来の経営見通しをもって対応すべきことであること、さらに、県財政が厳しい状況であるということも理解しております。
しかし、過去の経緯もありますことから多くを言うつもりはございませんが、県下全域の基幹病院である県立中央病院まで最も距離のある三豊保健医療圏域には、県立病院がございません。
この点につきましては、これまでも、私が日頃ご指導いただいており、尊敬する観音寺・三豊地域の諸先輩議員の方々が、公平性の観点などからお取り組みになられておられますが、私も関心が高く、諸先輩と一緒に取り組まさせていただきたいと思っております。
そこで、地域の、特に県立病院がない地域の中核病院に対する支援についての知事のご所見をお伺いしまして、私の一般質問を終わります。